年金受取額は長期的見通しで現役世帯収入の半分以下に

厚生労働省より公的年金の長期的な財政検証結果が発表されました。
今回の検証では、様々な前提条件を想定し、8つのケースにおける見通しをまとめています。

2009年の検証では、積立金の名目利回りを2004年検証時の3.2%から4.1%に上げましたが、当時の運用状況と解離しているため「高すぎる」との批判を浴びました。
今回の検証において、50%を維持できるとするケースでは、年金の利回りが4%台を維持できることに加えて、女性や高齢者の就労が進み、2030年時点での就労人口が600万人増えるとするなどさらに強気の前提が基になっています。

一方、ほぼゼロ成長が続き、女性や高齢者の就労が増えないケースでは、約30年後までに会社員世帯の年金水準は現役会社員世帯の収入の50%を下回る結果となっています。
これは、現状がずっと続いた場合ということであり、もっとも現状に則したモデルケースといえます。

取り組むべき課題としては、給付抑制、負担増、運用に分かれ、すぐに取り組むべきものと中期的に取り組んでいくものがあります。

<すぐに取り組むべき課題>
【給付抑制】
年金額を毎年1%程度づつ減額する仕組みの検討

<中期的に取り組む課題>
【給付抑制】
受給開始年齢を現在の65歳から67、68歳に引き上げる。
個人の判断で受給開始年齢を75歳まで選べるようにする。

【負担増】
保険料の納付期間を現在の60歳までから65歳までに延長する。
18.3%で固定している保険料率を引き上げる。

【運用】
国債偏重を見直し、株式投資を含めることによって利回りを高くする。

すぐに取り組むべき課題である「年金額の減額」については、2004年時点ですでに仕組みができているにもかかわらず、高齢者の反発をおそれて実施を先送りにしてきました。
そのために年金財政がさらに悪化する結果となっているので、一刻も早い実施が必要となります。

中期的に取り組む課題については、かなり議論が必要になると思われます。
特に、運用で株式投資を含める件については有識者の間でも意見が分かれているようです。

もらう年金が減ってしまい、今後は年金には頼れないのでは、という若年世代の不安を取り除くためには、女性や高齢者の就労促進に加え、給付の抑制などの対策が急務となっています。

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